頭痛

病態・予防/治療

頭痛は最もありふれた症状の一つです。多くは片頭痛や筋緊張性頭痛といった良性の頭痛ですが、頭痛の頻度が多い場合、予防治療によって痛みを起きにくくして、日常生活を楽にすることが可能です。
なお、頭痛の中には脳出血やくも膜下出血、脳腫瘍といった、救急対応や脳外科手術の必要な重症の病気も隠れていることがあります。その様な病気を見逃さないために、CTスキャンでの検査が重要になります。

脳卒中

病態・予防/治療

脳の血管の病気です。片側の手足に力が入らない、ろれつが回らない、身体の片側だけがしびれる、急な頭痛などの症状がある時を境に急に出現した場合、脳の血管に異変が生じた可能性があります。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳内の病気をCTスキャン検査を含めて診断することが必要です。なお、多くの脳梗塞や脳出血は、それが発症する背後に、長年にわたる高血圧や糖尿病などによる動脈硬化の存在があります。脳卒中は再発が多い病気であり、それを予防するためにも、血圧や血糖値の管理が大変重要になってきます。

パーキンソン病

病態・予防/治療

身体が全体的に固くなる病気です。動作が緩慢（ゆっくり）になり、身体の動きにダイナミックさが無くなります。何もしていないのに手がふるえる、歩くときに前傾姿勢になる、歩幅が狭くなる、手の振りが小さくなる、顔が無表情になる、などの症状がみられます。
中年以降に発症することが多く、身体が動かし難い、身体の固さの症状は通常左右のどちらか一方に強く出ます。またこれらの運動症状以外に便秘しがち、夜間睡眠中に寝言を言う、匂いが判り難くなる（匂いに鈍感）、などのいわゆる“非運動症状”が、運動症状の出現よりも数年前から見られることがあります。症状が進行する前にしっかり検査を受け、適切な治療に努めましょう。

もの忘れ/認知症

原因・病態

ある程度のもの忘れは、加齢によって誰にでもみられるものであり、日常生活が維持できていれば、おおむね問題ありません。一方、社会生活や家庭生活に支障をきたす場合には認知症の可能性が考えられます。
すべてが認知症というわけではありません。ストレスやうつ病、睡眠不足、また栄養素の不足やホルモンの異常などでも物忘れ症状は起こります。これらは適切な治療で回復が可能です。また脳腫瘍や硬膜下血腫・水頭症(脳内に血や水が貯まり脳を圧迫する)などは脳外科の手術で回復が可能です。これらが除外され、加齢に伴う脳の老化のために社会生活や家庭生活に支障をきたす場合に初めて認知症と診断されます。

治療について

薬を飲むことで、症状の進行をある程度ゆっくりに遅らせることが可能です。
また、怒りっぽくなった、幻覚が見えるといった症状に対しても、ある程度落ち着かせてあげる治療法があります。

てんかん

原因・病態

てんかんは、脳の神経細胞が異常に電気的に興奮して起こる病気です。
乳幼児から、小児、学童、思春期、成人、高齢者のいずれの年齢層でも発症しますが、特に近年は高齢化社会により高齢発症のてんかんが増えています。

てんかんの症状

部分発作と呼ばれる、手がピクピク動く、手をもそもそ動かす、口をもぐもぐさせる、ボーっとして意識が飛んでいる、などの症状を呈するものから、大発作と呼ばれる、突然倒れて全身がけいれんをするものまで、その症状は多彩です。

治療について

発作を予防する薬を飲むことによって、多くの場合で発作を起こさなくすることが可能です。最低2年間発作の無い状態を続けることができたら、申請により車の運転も可能になる場合があります。

しびれ

病態・予防/治療

一般的にしびれはあまり重要視されないことが多く、医療機関を受診しても「気のせい」だとか「年のせいだ」とかで軽く片付けられてしまうことが多いのが現状です。実際に手足のしびれを自覚する方は多くいらっしゃいますが、その多くは頸椎症や腰椎症、椎間板ヘルニアなど背骨の骨のゆがみによる神経の圧迫が原因となっています。また同じ神経の圧迫によるしびれでも、手根管症候群といった手首部分での神経圧迫の場合もあります。これらは詳細な問診と診察、レントゲン検査などでかなりの割合で診断が可能です。診察結果でこれらが疑わしい場合は、整形外科に紹介して治療を受けることで、症状を改善させることができる場合があります。